写真と動画でつづる山と山以外

山に登ったり、登らなかったりします!

唐沢岳B沢に登ったときの写真と動画



去年の9月の話になるけど
唐沢岳B沢に登ったときの写真。


唐沢岳B沢というのは、北アルプス唐沢岳の幕岩という大岩壁が有名で
唐沢岳の西側の斜面にあります。

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その西側の斜面にある顕著な沢筋を、北側から順にA沢・B沢・C沢・D沢と呼びます。
今回はこのB沢を登ったわけですが
普通はこのB沢は、冬季に左方ルンゼというところを登攀するために登られる沢で、無雪期は落石が多いうえに藪が非道いので誰も登らないルート。

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過去に二回訪れたことがあるのですが

一回目は濃霧の中幕岩の途中まで登って進退窮まり?懸垂下降を5〜6回繰り返して最後はD沢をヘッドランプで暗闇の中下山
途中滝で行き詰まり大岩の下で幕営し逃げ帰る。

https://blogs.yahoo.co.jp/tsuduno2000/44157409.html


二回目は金時の滝の巻でU親方のすねに落石が刺さり、B沢まで行くもずっと出血が止まらないので撤退。
大町の病院に救急で診てもらうという騒ぎになって計画中止。




という過去の因縁があり
ふつうはそこまで血道をあげるようなルートではないんだけど
三度目の正直でようやく登ってこられたのでした。


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というわけで、タクシーで高瀬ダムに移動して今回の登山のスタート。

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高瀬ダムの下に移動して、そこから唐沢に入渓。

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足が濡れない様に歩きながら遡上。

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金時の滝。

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前回はこの巻で親方の脛に落石が刺さって中止になりました。



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そこから少し遡上したところで、左手にA沢。



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続いて左手にワシの滝が見えたら、それがB沢の入り口。

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数年ぶりにみるB沢の光景。

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↓前回少し苦戦したこのCS滝、今回はノーロープで簡単に登れた。

しかも前回は左側(右岸)から登ったけど今回は右側(左岸)から。

それで登攀の腕前があがったから簡単だったのかと思ったけど

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↓前回の写真。上の写真とみくらべると滝が4mくらいは落石で埋もれてしまっているのがわかる。

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大きな滝をぜんぶ登ったところで、右側(左岸)に急峻な支沢が現れました。
これは見事な!としばらく見とれて
あわよくばここから登攀を、と考えたけど
メンバー的に無理と判断し見送りました。

あとから調べたところ、これが左方ルンゼというものらしい。
冬になると氷爆が出来てそれを登攀するのです。

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そこからもう少し上がったところの左岸の支沢
ショボいですが安全そうなこの支沢から登ることに。

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ところが舐めたものではなくて
出だしは登りやすかったけど、だんだん急になり、また落石の巣窟でメンバーを危険にさらしてしまいました。

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振り返ると美しい高瀬ダム

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ここから先は藪の殿堂であった。

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笹薮から始まりあらゆる植生の藪との格闘であった。

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藪と格闘する私達。

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夕暮れ迫る中、藪地獄の中に奇跡のように開けたテントサイトがとつぜん現れ、我々はこれ幸いとテントを張ったのだが
テントを張ったとたんに大雨が降ってきてテントに避難。

これには神の思し召しだと感謝した。
大雨はすぐに止んだけど
雨宿りしながらテントで回し飲みしたジム・ビームの味はこの上ないものでした。


翌朝

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皆さん多少元気になり、出発。

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山頂までは少しというところだけど
藪なので見た目通りにはすぐに着かないのです。

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ついに山頂に到着!
すごく感動して、なんだかジーンときてしまいました。

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山頂からは、餓鬼岳への縦走路。
いつか昔に餓鬼岳から見ていてずっと歩きたかった道です。

歩いてみたけど、想像以上に悪い登山道でした。

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餓鬼岳と、いちばん向こうには槍ヶ岳が見えます(奥のとがった山)。

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懐かしの餓鬼小屋に到着。

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餓鬼小屋で食べたカップラーメンの美味かったこと!
そして餓鬼小屋で回し飲みしたビールの美味かったこと!

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下山はやはり懐かしの白沢登山道から下山。

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餓鬼小屋から無線で呼んでもらったタクシーに乗って帰る。

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女性タクシー運転手の方に教えてもらった
大町駅前の商店街にあるソースカツ丼の店でソースカツ丼を食べて帰ったのでした。

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さて今回は藪の中を溺れるように、もがいてもがいて山頂を目指したのだけど
ときどきそれを避ける様に獣道が出来ていて、それのおかげでどれだけ楽を出来て助かったことか。

で、ときどき獣道に新しい足跡があるんだけど
これがどうもクマの足跡にしか見えない。

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小さくて可愛らしいクマの足跡。
それにときどき黒いウンチが落ちていたりする。

その獣道はウロウロしてて引き返した様なものもあったんだけど
それを途中、途切れ途切れに辿りながら山頂まで着いた。

獣は登山なんてしないから、もちろん山頂を目指したりはしない。
だから最後はこのクマちゃんの足跡も途切れてお別れであろう
と思っていたんだけど
足跡はけっきょく山頂まで続いていたのであった。

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クマちゃんは唐沢岳の山頂に立ったのだろうか。

山頂に着いた時、
心のなかで山頂に立つクマの姿を想ったのであった。


↓今回の動画





ではまた。