Fくん初段を登る
去年の春くらいだったかに
Fくんが40歳を前にして、「30代の間にボルダリング初段を登る」という目標を突然たてたので
けっこう面白かったので、ここしばらくはボルダリングをちょいちょいやっております。
ボルダリングのよいところは一人でも出来るということで
自分は転職してからというもの、シフト勤務職場なので休みががあまり皆とは合わなくなった。
そのため、一人で行けるボルダリングというのはなかなか相性がよいかもしれない。
ボルダリングとはなにかというと、いつものように岩を登ることには変わりないのだけど
ロープを使うほどではない高さの岩に、ロープを使わず登るというスタイルの岩登りのことで、落ちて骨折とかしないように、下にマットを敷いて安全を確保したり、もしくはしなかったりします。
登る岩が小さいということは、これがもし誰でも登れるような簡単な形をしてましたら、あっという間に登ってしまえて何も面白くありません。
そういうわけで、ボルダリングの課題が出来ている岩というのは、基本難しいルート取りが設定されているわけです。
その中でもどれくらい難しいかということを、日本では級とか段で表していて
5級4級と級が減っていって、1級の上が初段、その上が二段、三段、四段…
といった具合。
その中でも初段っていうのはなんだか響きがよい
なんか強そうってことで、皆なんとなく目指したりするグレード(だと思う)。
それで、Fくんは非常にタイトルにこだわる男なので、とにかく初段を登りたい、三十代の間に初段に登る、とういことにこだわっているというわけ。
初段というのはじっさい、そう簡単ではない。
ところでFくんはとても貧弱な男なので、実力的にははっきり言って初段を登るには足りない。
しかしながら、クライミングのグレードには客観的な数値などなく
各人が勝手に課題を作って、独自の判断でグレードをつけるわけなので
自然と簡単な初段、あるいは初段にしては難しすぎる課題
などがバラバラと出来てしまいます。
そのグレードにたいして簡単な課題のことを「お買い得」だとか
逆にそのグレードにたいして難しいと「お買い損」だとかいう言い方をしています。(関西だけ?)
そこで、Fくんもなんとか初段を登ったと言いたいがために、いろいろなところから「お買い得」な初段をみつけてくるんだけど、彼につきあってお買い得な初段めぐりをするうち、自分も一緒にやっていると、いくつか初段を登ることができました。(何しろお買い得なやつばかりなので簡単なやつしかないのだけど)
ところが当のFくんは貧弱な男なので中々登れない。
そんなある日、滋賀県の岩場で「これはホンマに簡単や!」という初段を発見。
さっそくFくんに教えてあげたら先日、ついに苦節1年くらい?
初段を登ることができました。
↓そのときの動画
ところでこの課題は1手目がガバホールドだったのが、Fくんが登る前に私が登ったときに岩が壊れてしまい、あわや登攀不可能になるかと思ったが
他にあるホールドで何とかムーヴを組み立て直して登れるようになりました。
Fくん、登れたあとは
そんなに喜ぶか?ってくらい喜んでいました。
よかったね。
そしたらここの焼き肉食べたら、これがもうほんとに美味しいのですよ!
脳みそがとろけてしまうような美味しさであった。
ほんと、人生は焼肉だよね。焼肉なんだよ人生は。
なんて言ったら、何かちょっと一見深いことを言ってる風だよね。