写真と動画でつづる山と山以外

山に登ったり、登らなかったりします!

明神の想い出

イメージ 11

贅沢なことですが
前穂北尾根の翌週は、こんどはその隣の明神岳東稜ルートを登ってきました。

穂高山脈ですが、「前」穂高とか、「西」穂高とか「奥」穂高とか
よく考えみるとただの「穂高岳」という山がありません。
じつは、上高地に着いて真っ先に感銘を受ける山である明神岳が、「穂高大明神」であるところの「穂高岳」なんだそうです。
つまり、明神岳に対して「前」にあったり、「奥」にあったり「西」にあったりということになるんでしょうか
昔は、明神山塊と穂高の山塊は区別されることなく
ひとつの山塊だったそうです。

イメージ 1

そんなわけで、穂高大明神さまに登らせていただきます。
明神館から明神橋をわたって少し行ったらすぐ取付き。
右上に見えている草原のような(?)コルのあたりを目指して登ります。

イメージ 2

キツイ急斜面のガレガレを登り、いくつか沢筋を横断すると、下から見えていた草原?のようなところへ出てきました。

稜線にあるひょうたん池を目指します。

イメージ 3

ひょうたん池の手前
岩にレリーフが。。。

イメージ 4

山を愛しちゃったんだね
ずいぶんずいぶんでっかいやつを
好きになったな
山も君を
愛してくれるかい

押鏡正子 日記より


だそうです。
山で死んだ人だろうか
なんだか、もの悲しいなあ。

イメージ 5

この辺りから同行のTさんがバテバテになってきました。

イメージ 6

ひょうたん池に到着

写真では解りにくいですが
実際に目にすると「なるほど!」と納得のひょうたん型の池。

イメージ 7

行く手にはラクダのコルが見えます
これも実際に目の当たりにすると、ほんとう!ラクダの背のような稜線だ

イメージ 8

この先から急斜面になって、第一段階という難所

イメージ 9

ロープを出す場合もあるようだけど、なんとか行けそうだったので
我々はそのまま行きました。
ここ、ロープを出すかどうかはけっこうびみょうな線で
出すまでも無いようなところではあるんだけど、そういう所がいちばん危ないんかもしれない。

イメージ 10

バテバテなりながらも健気に登るTさん。

イメージ 12

Tさんより先に行って、ラクダのコルでテントを設営しておく。
Tさん、クタクタになりながらもなんとか到着。

イメージ 13

テントが二張り、三張り、張れるかな?という狭いテント場。
水も酒も売店もなんもないけど、なんと贅沢な寝床でしょうか。

イメージ 14

このテント場からは前週登った前穂を特等席で眺められる。
いろいろな感慨を持って前穂と北尾根を眺めながら、ウイスキーを一杯。

イメージ 15

午後になるとガスが出てきて、前穂は隠れてしまいました。
前週と同じような天候の変化。

イメージ 16

夜には空気が冷えて雲が下がる。
満点の星空とまたクッキリ見えた前穂。

イメージ 17

翌朝
日の出とともに東稜に取り付きます。

イメージ 18

今回はテントも水もフル装備担いで登るのでなかなか骨です。

イメージ 19

1ピッチ目は草付を登りやすいところから登る。
みんなが登ったあしあとがクッキリ。
人気ルートなんだなあ。

イメージ 20

そうこうしてる間に朝日が当たってきました。

イメージ 21

イメージ 22

イメージ 23

1ピッチはロープの流れが足りず足場の悪いところでピッチを切ったけど、2ピッチ目を少し上がったら目の前にバットレスが現れて
朝日が当たってあんまり気持ちがよいテラスなので、短いけどここで一旦ピッチを切ってTさんに上がってきてもらった。

イメージ 24

イメージ 25

バットレスなんてたいそうな名前がついているけど、大きさはこのくらい。
それでも、じっさいに目の当たりにするとけっこう迫力ありますよ。

イメージ 26

バットレスを上がり切ると、あとはガレガレの斜面を歩いて登るといった感じ。
どこもかしこもガレガレのグラグラで、とても気を使います。

イメージ 27

そしてついに明神岳の山頂に立った!

イメージ 28

気持ちよかー!!

イメージ 29

明神Ⅱ峰のてっぺんからひょっこり人が顔をのぞかせています。
懸垂下降のポイントを探っている様子。
(写真↑てっぺんに人がいるのがわかりますでしょうか)

イメージ 30

歩いて明神Ⅱ峰とのコルに下る。

イメージ 31

我々がⅡ峰の取付きに移動すると、先ほどの彼らが懸垂下降してきました。
2ピッチの懸垂で降りてきます。
すれ違い様に少し挨拶を交わすと、大学生くらい?の男の子と女の子。

イメージ 32

登攀のラインは懸垂下降のラインから左側をまくようにして登るライン。
(正面からも登れなくはないのだろうけど)

イメージ 33

イメージ 34

Ⅱ峰の山頂に到着。

振り返ると明神岳本峰にさきほどの二人組が登頂していて
すごく嬉しそうにしていた。

手を降ってくれたのでこちらも手を振る
「ありがとうございましたー(ルートを教えてあげたので)」
「お気をつけてー」
「はーい」

イメージ 35

明神岳から前穂高までの稜線が見えます。

イメージ 36

前穂や奥穂が見えます。
とてもとても美しい。

イメージ 45


Ⅱ峰(Ⅲ峰?)から、我々が登ってきた東稜の全貌が見えた。
こうして見ると、ラクダのコル以外にテントを張れるようなところが無いのがよくわかりました。

イメージ 37

お名残おしゅうございますが、ここから少し稜線をたどって、一気に下山。

イメージ 38

イメージ 39

イメージ 40

イメージ 41

イメージ 42

イメージ 43

上高地と、写真右奥に焼岳

上高地と焼岳がとっても美しく、上高地がまるで楽園のようにみえる。
いままでなんとも思わなかったけど、上高地って良い所だなあ。

イメージ 44

最後は樹林帯に入り、ものすごい急傾斜の道を一気に下山。
途中で細い岩を歩いて渡るところがあったので
写真を撮る。↑の写真。

と、この写真を撮ったあとに、うっかりCFカードのフォーマットボタンを押してしまい、写真が全部消えてしまって、茫然自失としてしまいました。

そして、この間のエントリーの1万円かけて写真を復活させたお話に続くのでございます。

ながながと、たくさんの写真をごらんいただいてありがとうございました。

ムービー編集は、いずれまたの機会に。。。