明神の想い出
贅沢なことですが
前穂北尾根の翌週は、こんどはその隣の明神岳東稜ルートを登ってきました。
よく考えみるとただの「穂高岳」という山がありません。
つまり、明神岳に対して「前」にあったり、「奥」にあったり「西」にあったりということになるんでしょうか
昔は、明神山塊と穂高の山塊は区別されることなく
ひとつの山塊だったそうです。
そんなわけで、穂高大明神さまに登らせていただきます。
明神館から明神橋をわたって少し行ったらすぐ取付き。
右上に見えている草原のような(?)コルのあたりを目指して登ります。
キツイ急斜面のガレガレを登り、いくつか沢筋を横断すると、下から見えていた草原?のようなところへ出てきました。
稜線にあるひょうたん池を目指します。
ひょうたん池の手前
岩にレリーフが。。。
山を愛しちゃったんだね
ずいぶんずいぶんでっかいやつを
好きになったな
山も君を
愛してくれるかい
押鏡正子 日記より
だそうです。
山で死んだ人だろうか
なんだか、もの悲しいなあ。
この辺りから同行のTさんがバテバテになってきました。
ひょうたん池に到着
写真では解りにくいですが
実際に目にすると「なるほど!」と納得のひょうたん型の池。
行く手にはラクダのコルが見えます
これも実際に目の当たりにすると、ほんとう!ラクダの背のような稜線だ
この先から急斜面になって、第一段階という難所
ロープを出す場合もあるようだけど、なんとか行けそうだったので
我々はそのまま行きました。
ここ、ロープを出すかどうかはけっこうびみょうな線で
出すまでも無いようなところではあるんだけど、そういう所がいちばん危ないんかもしれない。
バテバテなりながらも健気に登るTさん。
Tさんより先に行って、ラクダのコルでテントを設営しておく。
Tさん、クタクタになりながらもなんとか到着。
テントが二張り、三張り、張れるかな?という狭いテント場。
水も酒も売店もなんもないけど、なんと贅沢な寝床でしょうか。
このテント場からは前週登った前穂を特等席で眺められる。
いろいろな感慨を持って前穂と北尾根を眺めながら、ウイスキーを一杯。
午後になるとガスが出てきて、前穂は隠れてしまいました。
前週と同じような天候の変化。
夜には空気が冷えて雲が下がる。
満点の星空とまたクッキリ見えた前穂。
翌朝
日の出とともに東稜に取り付きます。
今回はテントも水もフル装備担いで登るのでなかなか骨です。
1ピッチ目は草付を登りやすいところから登る。
みんなが登ったあしあとがクッキリ。
人気ルートなんだなあ。
そうこうしてる間に朝日が当たってきました。
1ピッチはロープの流れが足りず足場の悪いところでピッチを切ったけど、2ピッチ目を少し上がったら目の前にバットレスが現れて
朝日が当たってあんまり気持ちがよいテラスなので、短いけどここで一旦ピッチを切ってTさんに上がってきてもらった。
バットレスなんてたいそうな名前がついているけど、大きさはこのくらい。
それでも、じっさいに目の当たりにするとけっこう迫力ありますよ。
バットレスを上がり切ると、あとはガレガレの斜面を歩いて登るといった感じ。
どこもかしこもガレガレのグラグラで、とても気を使います。
そしてついに明神岳の山頂に立った!
気持ちよかー!!
明神Ⅱ峰のてっぺんからひょっこり人が顔をのぞかせています。
懸垂下降のポイントを探っている様子。
(写真↑てっぺんに人がいるのがわかりますでしょうか)
歩いて明神Ⅱ峰とのコルに下る。
我々がⅡ峰の取付きに移動すると、先ほどの彼らが懸垂下降してきました。
2ピッチの懸垂で降りてきます。
すれ違い様に少し挨拶を交わすと、大学生くらい?の男の子と女の子。
登攀のラインは懸垂下降のラインから左側をまくようにして登るライン。
(正面からも登れなくはないのだろうけど)
Ⅱ峰の山頂に到着。
振り返ると明神岳本峰にさきほどの二人組が登頂していて
すごく嬉しそうにしていた。
手を降ってくれたのでこちらも手を振る
「ありがとうございましたー(ルートを教えてあげたので)」
「お気をつけてー」
「はーい」
前穂や奥穂が見えます。
とてもとても美しい。
Ⅱ峰(Ⅲ峰?)から、我々が登ってきた東稜の全貌が見えた。
こうして見ると、ラクダのコル以外にテントを張れるようなところが無いのがよくわかりました。
お名残おしゅうございますが、ここから少し稜線をたどって、一気に下山。
上高地と、写真右奥に焼岳
いままでなんとも思わなかったけど、上高地って良い所だなあ。
最後は樹林帯に入り、ものすごい急傾斜の道を一気に下山。
途中で細い岩を歩いて渡るところがあったので
写真を撮る。↑の写真。
と、この写真を撮ったあとに、うっかりCFカードのフォーマットボタンを押してしまい、写真が全部消えてしまって、茫然自失としてしまいました。
そして、この間のエントリーの1万円かけて写真を復活させたお話に続くのでございます。
ながながと、たくさんの写真をごらんいただいてありがとうございました。
ムービー編集は、いずれまたの機会に。。。