写真と動画でつづる山と山以外

山に登ったり、登らなかったりします!

錫杖岳 本峰フェース 見張り塔からずっと に登る

そんなわけで
左方カンテの翌日は見張り塔からずっとルートを登りました。

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錫杖岳でのクライミングというのは、一般的には前衛壁を登るルートが多いですが
この「見張り塔からずっと」というルートは、北沢から登って錫杖岳の山頂に立つというルートで
ボルト類はいっさい無く(一部残地ハーケンありましたが)全てをナチュラルプロテクション(安全確保の支点を自前でセットしていく/回収して後には何も残さない)で行うというルート。

はっきり「このラインが」ということも無く、判然としないルートを登って山頂に出るという
ライミングというよりは山登り、山登りというよりは冒険というルートと感じました。
そして、自分はそういうの、大好きなんですよね!


↓今回の動画(1080p画質で観ると綺麗です。)






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錫杖沢出合のテント場から夜明け前に取り付きへ向かう。

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北澤大滝に着きました。
今日も良い天気!

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ライミング開始、と思ったらいきなりルート間違えてて変なところを登ってしまう。

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変なクラックを登ってしまって変な薮をトラバースするハメになってしまった。
でも、「見張り塔からずっと」はルートがはっきりあるわけではないので、それでも良いかな。それも見張り塔の内かな。という大らかさがある。(気がする。)
ゲレンデの「これ持ったら反則。グレードひとつ下がるよ。」
みたいなこととは無縁の大雑把さなのである。

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北沢大滝超えた辺りのスラブ

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スラブを歩いて上がって行くと、ついにルートのハイライト部、大洞穴が姿を現した。

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赤線のところを登っていきます。
写真ではスケール感が伝わりませんが、すごい迫力です。
こんなところ本当に登れるのか!?という不安でいっぱいに。。。





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大洞穴の左の壁から、左上するクラック沿いに登ります。

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あとから振り返ると、技術的には簡単は簡単なんだけど
ナチュプロで未知の壁に突入するのは本当に怖い。すごいびびりまくりながら登りました。
何か雰囲気に圧倒されてしまう。

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左上したところにあるテラスから直上します。
ここにゴロゴロうごくでっかいチョックストーンがあり、どうしても持たずに超えるのは難しい。
真下にはビレイヤーがいて、これを落としてしまったら、自分の命も危ないし下の命も危ないしで
すんごい怖かった。でも他のみんなは全然怖くなかったとか。。。悲しい!

その後のトラバースはかなりランナウトしていてこれまた怖い!(技術的には簡単なんだけど…)

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後続も皆で怖い怖い言いながら登ります。

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向かい側の烏帽子岩には、先ほど出会ったH田山岳会のパーティーが登っています。

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拡大図:烏帽子岩の上に人が立っているのが見えますか?↑

彼らに「かっこいいですよー」と声をかけたら
「あなたもかっこいいよー」と返ってきた(^_^)

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その上の、大きなテラスを歩いていよいよ山頂が見えてきました!

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最後のピッチ。
山頂の見張り塔?を登ります。

見上げると頭上には青空があって、その他には何もみえない。
ついに錫杖岳の山頂に立ちました。

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最後のKMさんも登って、無事全員登頂成功!

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「Sさんの魂」として持って来た
Sさんからもらった一本のタバコを、山頂で吸わせていただきました。

見張り塔からずっと、本当に素晴らしかった!

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隣にある有名な「ピッケルピーク」

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有名だがそのいわれは全く知らない。Y.Uさんのピッケルなんだそうだが。。。
誰か何か知ってますか?

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山頂で感動に包まれた我々だったが、まだこれで終わりではなかった。

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薮漕ぎしながら日没を迎えることに。。。

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やっとテントに戻ったのは午後九時でした。

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翌朝、Kさんがもってきてくれたメロンを皆で食べる。
超おいしかった!

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いままで半年、みんなで練習してきて、みんなと一緒に山頂に登れて本当に良かった。
景色の良い山頂はもっと他にもたくさんあるのかもしれないけど、今まで登ったどの山よりも感動したかもしれない。
俺が登れたことじゃなくて、みんなで登れたことが本当に嬉しかった。
(山のぼっててそんな風に思ったことは初めてだった。)

これから、こんなに感動できる瞬間が、人生であと何回あるかな?

ありがとう!














これからも山に登ろう!