写真と動画でつづる山と山以外

山に登ったり、登らなかったりします!

愛宕山ケーブル跡 廃墟探訪

イメージ 1

先日、山岳会の集会後の飲み会にて
Aさんより先日行った愛宕山のケーブル跡道が非常に良かった、という話を聞いた。
さっそくネットで調べてみると、なるほど面白そうなコースなので行ってみることにした。

日曜日、バスを乗り間違えたりとマヌケなことをし、登山道に着いたのは11時になってしまった。

イメージ 2

ケーブル跡の入り口は登山道のすぐ横にあり、想像していたよりいともあっさりと見つかった。
これでは間違えてこちらを登ってしまう人もいそうなくらい。

イメージ 3

少しも行かないうちに最初のトンネルが見えてきた。

愛宕山ケーブルは、第二次世界大戦前、愛宕山鉄道が運営していたもので
現在の嵐電 嵐山駅と普通路線鉄道を介してつながっていたらしい。
現役当時は東洋一の長さを誇るケーブルだったらしく、山頂にはホテルのほか遊園地のようなものもあったのだとか。
当時の写真、情報は以下に詳しい。
http://www.juzozasa.com/newpage14.html
http://www.juzozasa.com/newpage16.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E5%AE%95%E5%B1%B1%E9%89%84%E9%81%93

イメージ 4

このようなトンネルが合計6個?くらいある。

イメージ 5

トンネルの中は暗いのでヘッドランプが必要かと思ったが、点灯するまでもなく歩くことができた。

イメージ 6

トンネルは流石に少し気味が悪いが、足場はしっかりしていて歩きやすい。

イメージ 7

イメージ 8

脇にはこのような柱の跡がいくつも建っている。
柱に記載のある「3号×」は、この先の三番目のトンネルが崩落していることを知らせているものと思われるが、誰がどのタイミングで書いたものかはわからない。廃墟ハンターが書いたものかな?

イメージ 9

柱の中にはこんな鉄骨が。

イメージ 10

これが崩落した3号トンネル。

イメージ 11

中をのぞくとこのように土砂で埋まって通れなくなっている。
不気味である。

イメージ 12

トンネルを迂回して山を回りこむ。
もう何人も通っているのだろう。登山道と変わらないくらい立派な踏み跡がついていて迷う心配が無かった。

イメージ 13

再びケーブル軌道に戻りまた歩く。

イメージ 14

4号トンネル。トンネルの脇には誰かが記した番号が記載してある。

イメージ 15

イメージ 16

これは何号トンネルだったかな?

イメージ 17

ケーブル軌道のところどころにはまだ残雪が残っていた。
橋になっているところだけ冷たいので雪が残っている。

イメージ 18

振り返ると京都の山々が美しい。

イメージ 19

同じような景色が続き、そろそろ飽きてきたころ、向こうに何か建物のようなものが見えてきた。

イメージ 20

ついにケーブル軌道の終着点、駅舎跡に到着。

イメージ 21

イメージ 22

駅舎の地下は広い空間になっている。
地階があったのかな?

イメージ 23

イメージ 24

ガランドウの駅舎跡。当時の景色はどんなだったろうか?

イメージ 25

二階に続く階段があり、崩れるかどうか恐る恐る登ってみる。

イメージ 26

二階はこんな感じ。
水漏れがひどく、屋根には大量のつららが出来ている。

イメージ 27

駅舎の入り口に回りこむ。

イメージ 28

駅舎を後にして、西に数十メートルほど登ったところにあるホテル跡。

イメージ 29

今は土台部分を遺すのみである。
イメージ 30

イメージ 31

なんだか西洋風のオシャレな石壁。

イメージ 32

イメージ 33

イメージ 34

不謹慎だけど、この中でサバイバルゲームとかしたら盛り上がるかも…

イメージ 35

そこからさらに西へ数十メートル行くと、ひょっこりといつもの登山道に出る。
水尾別れの目と鼻の先のところ。
今までの不思議な空間から突然、たくさんの登山者で賑わういつもの愛宕山に戻ってホッとする思いがした。

イメージ 36

せっかくなので愛宕神社におまいりをして、足早に下山したのであった。

愛宕山にこんなルートがあるとは、廃墟探検と山登りを一度に味わえた様でなかなか興味深いルートだった。
廃墟というのは、一度は人間が使っていたことがあるから、その残像みたいなものがあって
そこからあの不気味というか胸に迫ってくる切ないような感じが出てくるのだろうか。
人間とか動物の死骸というのは不気味なものだけど、それと同じだと思う。
建物とか道具とかはある意味生きていて、それが使われなくなって寂れたものはある意味死骸なのだろうと思う。
死骸というのは不気味と思い目をそらしつつ、ついつい見てしまうもので、廃墟に惹かれるのもこれに近いものがある。

一方、山は、山の景色はずっと昔から生きている。生きている景色である。
素晴らしいと思う。